60年代の終わりから80年代にかけて全13作を公開、
デンマークのどこかの町の一角には彼らの影絵をモチーフにしたオブジェがある上、
当時のビールCMにも起用されている。
3作品ほど字幕なしで見たところ、どうやら泥棒3人組が芸術的な盗みを行い、
間抜けで無防備な性格柄、捕まることも多いようだ。
そしてお子様の情操教育にぴったりの非暴力映画ともいえるかも?(パンチラシーン有り)。
舞台はデンマーク!スペインやパリの回もある。
英題では"Olsen-Gang"、その個性的なメンバーの3人は
Egon(イゴンorエゴン)
主犯格であり、いつも葉巻をくわえている。
金庫破りの名人だが、よく捕まってしまう。
物語の冒頭部分は刑務所から出てくることが多い。
家庭的なシェール(左)にはお菓子作りの上手な奥様がいらっしゃる。彼の息子もめがねで金髪の長髪、イノセントなルックスを利用し、計画に加担することが多い。
ベニーはモテ役(右)、自動販売機の小銭をちょろまかす名人。
2人ともクールなエゴンに憧れギャング志望。
シェールの奥様イヴォンヌのマーガレット尽くしファッションと年代もののティーセット、
こちらの映画、素敵な時代のデンマークインテリアやファッションも素敵!
3本ほど見たが、言葉が分からなくとも十分楽しめる。
俳優さんたちの個性がよく出ていて、なんとなく面白おかしい雰囲気、
"志村後ろ後ろ!"って叫びたくなるような"8時だよ!全員集合"的センスと
後半部分の真面目に大泥棒加減は見ていて痛快。
Ser Rødt(1976)
アンティークの壷を巡って貴族様のお屋敷に侵入、
そこで待ち受けていた罠に嵌ったイゴン。
そしてシェールの息子が結婚をすることになったのだが、
花嫁さんはやり手の泥棒な上、大切な壷をツルッと手を滑べらせて
落としてしまう悪い癖がある。
デンマーク語オンリー字幕なしなので、
話の細かい部分は理解できないが、
オーケストラの演奏に合わせて忍び込むシーンはマニフィック!
そのシーンを動画でどうぞ!音量注意
Olsenbanden ノルウェーバージョン
オリジナルのストーリーもあるらしいが、未確認。
嬉しいのはデンマークバージョンよりも少しは会話の内容が聞き取れることだ。
ノルウェー版の3人。
デンマーク版では背の低いちょっとコミカルなおじさんだったイゴンはダンディな俳優さんに、
ベニーはコミカルさが抜けたハンサムさんになったけど、彼の面白シーンは陰気臭い。
シェールは失業中の寂しいおじさん的だ。
デンマーク版にあった陽気さが消え、真面目に大泥棒とコミックシーンのギャップに
魅力を発揮していた俳優さんたちも、こちらはそういった緩急の差がなく真面目過ぎる。
ノルウェーバージョンでも全く同じストーリーを
同じ撮り方で進めていっているのに、この雰囲気の重さは何?
街の風景もインテリアもあまり凝っていない様子、
"昨日撮りました"といわれても納得してしまうような
よき時代を撮りきれていない。
イゴンを出迎えるベニー、シェールとその息子。
シェールの奥様も息子もデンマーク版に比べて花がない。
凄く面白いと思ったのは、警察官がポルノ法を取り締まる為に
エッチなポストカードを見て、モデルを特定したり、
また、牧師さんがそういう色物を好奇心で覗いていたりと
ウディ・アレンというか、中学生男子的というか・・・
第一話"オペーレーション・イゴン"の最後のシーンは
刑事がバナナの皮に滑って転ぶという恐ろしい終わり方だった。
テストの前日にも関わらず、あごが外れそうになるほど笑いました。
いくつかのエピソードに、ハリーという酔っ払いの火薬師が出てくるのだけど、
天然に面白おかしい俳優さんたち、素敵な奥様とインテリア、
細部にまで凝った脇役達と時代を感じさせる街並みに
やっぱりデンマークって大陸の香りのする
垢抜けた国だったのだと、このシリーズを通して思った。
断然面白いと断言できるな・・・。
最後に・・・こちらがスウェーデン版
タイトルも"Jønsson Ligan"と改名されている。
見ていないのでなんともいえないけど、
眼鏡おデブちゃんという癒し系だったシェールが
なんだか知的になっています。
ノルウェーでは今年、Olsenbanden Jr.という
3人組が子供になった映画を公開した、
こちらは未チェックである。
おまけ
先週、オスロで極右派によるテロ事件が起こり、多くの方が犠牲になりました。
犯人はイギリスの原発を狙っていたというのだから恐ろしい。
カミッラの話によれば、オスロ市内の一部が通行止めになり、
乗っていたバスの下車を命じたれたとか。
皆が共存していける社会の実現を強く思いました。
ユニバーサルな思想というのはとても難しいです。