ナポリの小枝とノルウェーの切り株

ノルウェー、ヴィーガン、猫とおそ松さん

私にもノスタルジーな街 小樽

新千歳空港から快速エアポートに乗り小樽へと向かいます。

出発からずっとテンションダダ下がりの私ですが、JRの駅に着くと用事で名古屋に行くときと同じような感覚で、まあまあ落ち着きつつありました。

始発から終点の電車内では、初めて聞くのに違和感のない駅名を不思議に思いながら、気持ちが焦っているので永遠に小樽に着かないのではないかと感じていました。

すごい迫力、逆光の小樽駅

何故焦っているかというと、地図の読めない女で方向感覚が反対方向にずれているため、真っ直ぐな道でさえ迷宮になる私が!小樽に着いたら絵本と環境雑貨の店”ワオキツネザル”に一人で向かわなければならないからです!

こちらのお店、ヤフーブログで記事を書いていた10年以上も前に、環境問題について情報集めをしていた頃から交流のあるアッテナさんのお店です。無添加、無香料の雑貨やセレクト絵本を扱っているお店ですが、なぜか私はずっとカフェだと思っていて、ここでコーヒーをいただくのがイタリアから戻った当時の目標でした。

やっと!その目標を達成できるかもしれない・・・のにしっかり眠れていないので低血圧で心拍数だけ早いまま小樽駅に到着。

人の流れに乗って付いて行くと、ユーチューブの“小樽半日観光VーLog”で見たガラスのランプに“るたお”表記の駅名看板があり、異世界に迷い込んでしまったのではないことが分かったので少々安心して改札を出ます。

駅舎内は結構な人で小樽が千葉より都会だと思いました。観光客も案内係り(公式の人だと思う、イタリアだったら信用してはいけない人)もいて、バーガーキングもある。

ここから、私は自分に起きた奇跡に驚かされます。

なんと!”ワオキツネザル”まで迷うことなく地図で確認すらしないのに着いてしまったのです!!もしかして行ったことあったのかしら?出発前にグーグルマップでチェックしただけでこんなに簡単に見つけることができるのだろうか?

ワオキツネザルさん

小樽に住んでいる人なら見たことがありそうな北欧風の佇まい、看板のワオキツネザルがとってもステキ。かわいくて住みたい。

扉を開けると、ブログでいつもフランクにコメントをしてくれていたアッテナさんがいました・・・安心感で気が抜けた。ネットやメールで何度も交信していても文章の受け取り方は人それぞれで、私はあまりそれを感じ取るのが上手ではないので、思ったような人と違っていたらどうしようと心配していたけど、しばらく連絡を取っていなかったブランクを感じさせない、“知っている人”でした。

ステキな木のテーブルにはおいしそうなお弁当が用意されている。なんて理想的な一場面を見ているのだろうと思う自分を客観的に感じていました。

アッテナさんが用意してくれたお弁当は私の食のわがままに合わせたヴィーガン弁当。

興奮して写真を取り忘れてしまったけど、ヒヨコマメ入り大豆ミートキーマカレー金時豆入り雑穀ごはん、別のお皿で厚揚げ、ブロッコリ、ポテトサラダ、ミニお好み焼きと盛りだくさん。実は飛行機に乗った後の胃袋はあまり本調子でなくて、全部食べられる自信はなかったのに、完食してしまった。それぞれの食材の味付けが食べていて飽きないことと、大好きなカレーというのが嬉しかった。

スプーンとお箸が使い捨てでないのもさすがアッテナさん!しかも、猫舌の私に気づいてくれてお水を出してくれました。食後もオーガニックのコーヒーをいただきながら、交流のなかった長い時間を感じさせない、正直に生きていた頃の私でありながら話をすることが出来て、自分の中のヒューマニズムが再起動するのを感じました。

すてきな商品が並ぶ店内
無垢材の床と漆喰の壁が夢見る天然建築

お店の中をいろいろ見せてもらいましたが、興味ある商品が一杯!私が敬愛するアレッポの石鹸までありました!買って帰りたいものが多数ある中で自分の荷物が既に6キロ越えなので、お土産の重量を考えると購入に踏み切れない、お話に夢中で商品を吟味できなかったのもありますが・・・。実はめちゃくちゃ多忙なアッテナさん、この日は無理を言って時間を作ってもらったのです。

みなさん、気にして下さい。

そうそう、私は日本に戻ってからたまにブログはアップしていたけど、なかなか定着しない仕事や職業訓練に今までの反骨精神というか、大きいものに立ち向かわずに飲み込まれることを訓練してきたので、イタリアにいたときに感じていたことを記事にアップすることを避け、SNSも身バレを防ぐべくして発信するのを止めてしまった。その内ヤフーブログが終了し、折角相互フォローしていた人たちとも別々の会社のブログに移行して行き、音信不通の状態が続いたままだった。

だから、今回アッテナさんに会うのは少し恥ずかしかったのだけど、思い切って連絡を取って良かった!

 

”どうして今、北海道に来ようと思ったの?”

この質問をされて私も驚いたのだけど、私を知っている誰もが同じ質問をすると思う。

うまくは説明できないけど、異動続きだった職場でやっと理想的な場所に配属されたことと、ノルウェーに行くことが難しくなったことが理由だと思う。

2020年のコロナ流行で帰国後の隔離期間を入れると、そんなまとまった休みは取れそうになく、その上陰性証明書(検査したことない)とかワクチン接種証明書(未接種)とかを英語で発行したり、現在は必要ないと言われても戦争でロシア上空は通過が難しく南回りルートで行くことを検討しようにも、今度はパレスティナで戦争ですよ。

戦争なんて誰も幸せじゃないよ!今すぐ止めて!!

早い話がノルウェー行きを計画できなかった三年間でじわじわと明るい北国北海道に行くことを静かに計画していたのです。

・・・楽しい時間はすぐに過ぎるもので、美味しいオーガニックコーヒーをいただきながら、思いのたけを話すことが出来て私の眠気もすっかり吹き飛んだのでした。

やっと、重い腰を上げて家を出てきて良かったと思いました。

ワオキツネザルは船見坂という映画の舞台になった坂道の入り口にあるので、写真を取っている人がチラホラ、私も一枚取ってもらいました。

船見坂

ここから登っていくと海を見渡せるビュースポットのようでしたが、そんなことも知らずに小樽駅へと足早に戻りました。

アッテナさんとのお別れは名残惜しかったですが、“ここなら(ノルウェーより)気軽に来れるでしょ?”という言葉をいただき、再訪を楽しみにワオキツネザルを後にしました。

”giuro, vivo la mia propria vita. 私は自分の信条に沿って強く生きる”

街を歩きながらそう心に誓って、バスに乗り込みます。

次の行き先は日和山灯台です。