まずは駅でSuicaをチャージして、おたる水族館行のバスを探します。始発が駅に決まっているのになぜか駅から運河方面に真っ直ぐ伸びる緩やかな坂道を下って行くと道が広くて歩きやすいことや雪がパラパラと降ってくる様子に北海道に来たという実感がわいてきます。
氷点下だけど、全然寒くないのはノルウェーにいるときと同じで、電車の中もワオキツネザルの店内も暖房がよく効いていたので体が冷えずにずっとあたたかいままだからかな。
海が見たくて緩やかな坂を下って行ったけど、バスの出発時刻が気になって駅に戻りました。
おたる水族館はバスで15分くらいの祝津という地域にあるのに、割と頻繁にバスがあるようで、すぐに乗ることが出来ました。
住宅街の中をうねうね走るコースのバスで家はあるのに人気がなく、オスロ郊外よりもっとゴーストタウン的で、そこと抜けると目の前が開けてきて海が見えました。
最寄りの停留所より手前の祝津3丁目で降り、地元っぽい人も一緒に降りたのですが、この辺りに民家なんてあるのだろうか?というくらい空き地と海とボート、そして無人感、さすがに後は付けませんが、ここで誰かが生きているということに興味深々。
少し行くと食堂があり、昔祖父さんに連れて行ってもらったような市場の食堂的で爺様の思い出に少し浸りつつ、そう言えば自分より早く死ぬとは思わなかったハル子婆さんのことを思い出しながら歩きます。
雲の色も光の当たり具合もヨーロッパで見るような空でテンションぶち上げマックスです。
バス停を降りた瞬間から日和山灯台は見えていたけど、結構歩きます。
とても楽しい道のりなのでいいけど、できれば小樽駅から歩いてこれたらもっと良かったかもしれない。
灯台の坂道の途中に有名なニシン御殿があります。
こちらも閉鎖中なので外から灯台を眺めます。
・・・折角バスに乗ってきたのにニシン御殿も灯台も中を見れないじゃないか!
なーんて、営業時間はしっかり調べてきて、それでも見たいから来たのですよ。
私は海辺の街に行くなら灯台まで行かないと気が済まないくらい灯台の景色が好きです。こちらの灯台は赤と白にペイントされていて珍しいので小樽行を決めたときから計画していました。
誰もいない海と天気がすぐれないけどきれいな空が見えるシチュエーション、最高じゃないですか。
岩の構造が見える崖です。
左のホテルはノイシュロスだったかな?
ここに泊まったら良い景色が見れそうですが、近くにセイコーマートはなさそうなので、ホテルステイ目的で行きたいです。
雪が積もっていないのが心残りですが、周辺の散歩だけで脳みそのストレスゲージがリセットされたような感じです。
こんな寂しい景色を見て喜んでいる私は多分“寂しくない人間”なんだと思います。
友達はいないけど。
大満足で小樽駅へ向かうバスに乗り込みます。
帰りはおたる水族館の停留所にバスが止まっていたので乗車してしばらく待ちました。
復路は海沿いのルートを通るようで、途中レンガ造りの建物を通過したのですが、そこを見た瞬間、夢で見た風景を思い出しました。
私はあの敷地内を歩いたことがある!
急に心臓がどきどきして苦しかったです(原因は寝不足)。
しばらくそんな感覚を忘れていた私ですが、たまに現地に行く前に夢の中で見学することがあるので、いろいろな忘れていた直感のようなものが戻りつつあるのかもしれません。
そんなことより、車窓から見える雪が風で舞う様子に関心しつつも駅の一つ手前の停留所で降りて、今度は運河方面へと歩くことにしました。
本当は西洋美術館に行きたかったですが、時間は午後5時。
え?5時?!まだ5時ですか?
暗くなるの早くないですか?
私はてっきり8時頃になっていると思っていたので、ちょっとラッキー。
そのまま運河へと歩いて行きます。
小樽運河プラザでは観光案内とかお産物が売っている上、トイレがあるのでとりあえず使わせてもらいました。
旅行中、トイレを見つけたら使っておくという鉄則をずっと守っておりますが、日本は至る所にあるので、それほど困ったことはない。
道が雪で白くなるくらい薄く積もったいたので東アジア系の若者が嬉しそうに写真撮影していて、その姿を見た私も幸せな気分になりました。
丁度、小樽運河のイルミネーションが見られるらしいので私も少し歩きます。
まあ、そんなに混んでいない、場所によってはほとんど人はいないので浸れます、光る運河がキレイとか、雪がロマンチックとか、電気の供給源が泊原発だろうか?とか。
イタリアにいたときはクリスマス時期に電気の無駄遣いみたいなイルミネーションが街をあげて飾られるんですが、その電気はフランスの原発から来ていることをしっていると悲しくなります。天然ガスによる発電もしていたのかな?今はロシア・ウクライナ戦争で電気代もすごく高くなったようです。
・・・素敵です。
こちらの美術館はニトリ美術館の一つで、ユーゲンスタイルを始め、ヨーロッパの内装展示が見られるらしいので行くつもりでしたが、祝津の景色で幸せになりすぎたので次回のお楽しみにすることにしました。
雪ってこうやって積もって行くだなと街を歩きながら思いました。
駅に向かって歩いて行くのですが、途中ニトリステンドグラス美術館や歴史的建造物など、手が届きそうな古い時代の西洋建築、私にとってのネオクラシックからリバティ様式がミックスされたような・・・優美さとシンプル、暖色と無彩色等々、一概に様式で答えられない近代建築がいろいろとありました。
なので写真はあえて載せませんが小樽バインとかニトリステンドグラス美術館とかの建物の事です。
地理的に近いのもありますが、小樽はロシア風な街並に感じます。
本当はもっとレトロ散歩といわれるような界隈を楽しむのが小樽の醍醐味なのかもしれませんが、脳みそのチャンネルがずれている私は日本のレトロ(昭和レトロとか大正ロマンとか)より街並みとそこで生きている人たちを見ることや自然の素晴らしさを感じる今回の散歩に大満足でした。
駅に着くと、電車には乗らず相変わらずバスが好きな私は時間が掛かるの承知で札幌行のバスに乗り込みました。
車窓からは・・・発車してすぐに眠ってしまい、目が覚めると高速道路を降りるところで、そこからは降車する時計台前まで眠気と闘っていました。