ナポリの小枝とノルウェーの切り株

ノルウェー、ヴィーガン、猫とおそ松さん

のりおちゃん大脱走

もう二カ月も前のことだけど、のりおが脱走して一晩帰ってこないことがありました。

のりおは2018年生まれのオス猫ちゃん、私が初めて自分の責任で迎えた子です。

近所の銭湯で保護したけど飼えないという人から託してもらいました。

当時家には17歳になる猫、ねねがいたので上手く共生できるか心配でしたが、それなりにねねの方から慣れてくれました。二匹とも本当に賢い猫です。

外にも出る猫だったねね

今回は脱走から保護までの経緯を書こうと思います。

玄関から脱走して、家から10メートルも離れていない駐車場の車の下で見つかりました。

もし、猫が脱走して帰ってこないという人がいたら参考になってくれるといいなと思います。

のりおは5歳のオス猫です。

外の世界に興味があり、今までも隙をついて窓から玄関から、脱走すること数回、その度に長くても30分程度で自分から戻ってきたり、私たちが捕まえたり、家に入れるよう追い込んだりしながら、なんとかなっていました。

なので、今回の脱走ものりおの気が済めば戻ってくるだろうと、玄関を開けて私はごはんを食べていました。

時間は日がどっぷり暮れてしまった午後7時すぎ。

30分経っても戻らないので、家の周りを見に外へ出ると、いつもならウロウロしながら”見つかった!”と言わんばかりに逃げるのりおの姿があるのに、気配すら感じない。代わりに近所で生活している野良ちゃんが家の周りをウロウロ・・・もしかして、この子たちが怖くて家に戻れなくなったのでは?

のりおを最後に見た走りゆく方向を探しても見つからず、一区画を一周してみるも何の反応もないので、遠くに行ってしまったのではないかと血の気が引いて行く。

とにかく手掛かりがない状態なので、猫が活発になる日の出を待って捜索を再開しようと、この日は窓を開けて一晩中寝ずに待ってみた。

のりお子猫時代

寝ずに待っている間、児童が誘拐されると時間と伴に遠くへ連れ去られることや猫も時間と伴に保護が難しくなることを思い出し、近所に張り出すためのチラシ作りを始めた。

特徴が分かり易い写真を選んでると、子猫時代の写真が出てきて涙が出そうだった。

後に保護したナッツが来たときの嬉しそうなのりおのことも思い出す。

こんな感じでナッツが寝ているといつも添い寝していた

 

ただ、チラシに載せる写真は少々失敗したかも ↓

チラシに使った写真

全身が写っているものが重要らしいけど、こんなにむかつく表情の猫の写真を捜索チラシに使う飼い主がいるだろうか?

一番の特徴である短いしっぽもわかりにくい。

 

夜が明けて、一番に探したのは近所の駐車場、もしかして事故に遭ったのかもしれないと思ったから。幸い負傷した猫は見当たらず、エサを片手にのりおを保護した銭湯まで行ってみたが、猫一匹見当たらない。その後、動物愛護指導センターに電話で迷子猫の届け出を出し、千葉県警まで遺失物届を出しに行きました。

遺失物係の人からはキジトラという猫の色が上手く伝わらず、細かく説明しすぎて困らせました。“灰色のとら模様ではなく、暖色系寄り、アッシュブラウン系のグラデとアンダーコートが黄味グレーで、無彩色白70%に黒30%そこに黄色が数パーセント割り込んでいる感じです。” 

私は美容師ではないが、カラーコーディネーターの資格は持っている。

母は私を慰めようとのりおが外の生活を望んでいたとか言っていた。

発見は、捜索が早いほうが確立が格段に上がるので最終手段の猫探偵に電話を入れた。

猫探偵にゃん吉さんという会社です。

金額は3日間で6万6千円と、業界で安目の設定ですが、評価がとても高かったので電話をしてみると、とても為になるアドバイスを下さいました。

すぐにはいけないけど翌日9時に来てくれるということになり、それまでの間は自力で探すべく、電話で教えてくれた猫の居そうな場所と時間帯を徹底的に探しました。

状況としては野良猫がいるので家に帰れない可能性が高く、家からそう遠くないところに隠れている、近所にいるはずとのこと。

野良猫の縄張り意識が強くなるので、使用済み猫砂を家の周りに撒いてはいけない、夕暮れ時、日の出に活動するので猫を見つけるチャンス時間、とにかく車の下や茂みなど、猫が隠れられそうなところを探す。

シンプルではあるけど、なかなかできない。

迷子猫チラシを近所のスーパーや動物病院に張り出してもらい、近所の人たちに猫が迷子になっていることを伝え、探偵さんが敷地内に入る可能性があることも話しておいた。

近所の人たちは快諾、のりおの心配までしてくれた。

その日の夕方は猫キャリーを背負って、エサと懐中電灯を手に“のりお~”と小声でつぶやきながら心当たりをフラフラ探ってみた。

明日プロに任せた方が早く見つかるだろうと思いながらも、諦めきれず、猫が好きそうな近所の茂みにライトを当てて“のりお~”とつぶやく・・・“ふにゃ”という返事?が聞こえた。

声の方を見るとプードルが窓辺にいた。

な~んだ犬の鳴き声か・・・と思い、もう一度のりおの名前を呼ぶと、やはり返事がある。犬かもしれないけど、出来るだけ声のする方に近づいていくと、車の下にトラ猫がいた!

の、のりおか?

近所にキジトラは数匹いるので、短いしっぽが見えないと確信が持てない。

しかし、私の呼びかけに反応している、そして持っていた餌を近づけるが食べない。

見つかったのはいいが、どうやって保護しようか?

とりあえず、家族に見つかったことを報告しに行った。

母と父が家に鍵をかけるのも忘れて来てくれた。

3人の大人が車の周りで体制を低くしているので、近所の人たちがどうしたものかと集まってくる、車をどかそうかという提案もあったが、エンジン音に驚いて逃げてしまうので、車は動かさない方が良いだろう。

餌に全く反応しないので、おびき寄せる方法がなく、途方に暮れていると、母が“捕まえた!このまま走って家まで行くよ!”と6キロある巨体ののりおを抱きかかえて走り出した。

 

ほぼ24時間ぶりに家に戻ったのりおは、一度二階へ上がった後、すぐに降りてきてトイレへと駆け込み大と小を済すとこたつの中に入って縮こまった。

母にどのようにのりおを捕まえたのか聞くと、名前を呼んだら手を出したきたのその手を掴んで引っ張り抱きかかえたとのこと、抱っこが嫌いなのりおだが、無抵抗だったという。

多分、怖くて動けなかった、誰かに連れて帰ってもらいたかったのでは?というが、真相はのりおにかわからない。

猫探偵さんには見つかったことを報告すると、キャンセル料はいらないとのことだった。有難い。

チラシを貼ったところや近所の人たちにも見つかった報告を済ませ、私も家族もやっと心が晴れました。

今回、探偵さんのアドバイスが効きました。やはり専門家です!

出来ることは全部やるの精神で動いたことが功をなしたではないかと思います。

手を掴んで引っ張るという荒業は専門家だったらやらない手段だけど、やっぱり”母は強し”だとつくづく感じました。