ナポリの小枝とノルウェーの切り株

ノルウェー、ヴィーガン、猫とおそ松さん

インスタント資格

Kaja Gunnufsen - Faen Ta

 
前回の学校が始まる記事から、一気に日本での学生生活が終わってしまいました。

競争率の高かった介護初任者研修2か月コースに、不利と言われながらも
海外の福祉施設を知っているというポイントを買ってくれたのか
まさかの合格をしたものの、学校が始まってからはトラブル回避のため
職員や生徒たち、学校の話題について話してはいけないという
秘密義務を強要され、それを忠実に守っていましたが!

修了証をもらった今!

何を話したって私の勝手(と責任)なので、
今日は恐ろしい日本の介護事情を暴露ですよ!

辛抱強く訪問してくださる皆さんにはご存知ように
私はノルウェー介護施設カティンガグルベルに出入りしていました。
※今回の写真は全てカティンガグルベルのものです。
イメージ 1
福祉国家介護施設は、まるで老人ホームとは思えない素晴らしい内装で
周辺の環境も緑が多くて、お年寄りでなくても!入りたくなるような施設でした。

私も資格を取得するために実習があるので
特別養護老人ホームを訪問してお仕事を見てきたのですが、
横に公園があって、見晴らしの良い立地に
清潔感漂うロビーや病院とはちょっと違う生活感も適度にある施設で
お日様の眩しい、建築にかかわった人たちの意識の高さに拍手な建物でした。

ここで働いても、悲壮感は漂わないかも?

なんて最初の10分は思いましたよ!

それが・・・その数秒後には崩れ去りました。

担当させられたユニット(個室の9床)の入居者さんたちは
車いすに座り、テレビの前で下を向いています。
 
 
イメージ 2
そこを担当している職員は、体育会系の男。
仕事は時間で割り振られているので、一人で9人を見ていると言っても
かなり暇で、座ってワイドショーなんか見ていました。
正直、気の合いそうにない実習生が来て迷惑といった感じ。

他の職員さんと入居者さんの洗濯物を投げあったり、
寝た切りの人の着換えの最中に携帯電話のゲームはするし、
いきなりコツき合いを始めたり・・・
その間、着換えの最中だった入居者さんは裸です。

パワハラ勘違い上司な職員だったので、
相手を認めてから、自分の意見を言うという正当防衛に入っても
こっちがイライラするだけでした。

看護師もいましたが、自分と利害関係がない人は
見えない、聞こえないという特殊能力をお持ちだったようで、
パワハラ職員と一緒に入居者さんをもてあそんでいました。
 
イメージ 3
ここで見たお年寄りは、車いすに座ったり、
人によっては自分で移動できる人もいました。

全員がおむつを着用していて、トイレの時間には、
行きたくなくても強制的に行かされ、
それ以外はテレビの前で座ってぼーっと1日を過ごすだけです。
これって寝たきり老人製造施設なんじゃないか?

人権が、尊厳が・・なんてドヤ顔で話す職員は
お年寄りに話しかけたりしません。

この職員にとってのコミュニケーションは
お年寄りにちょんまげを結ったり、鎖骨を強くたたいたり
目の前で洗濯したての自分の服が宙を舞ったり、
裸にされてコツキ合いを見せることのようです。

施設長からスカウトされるも、
私はFaen Ta!(クソくらえ!)と暴言を吐きたくなるような環境でした。


さて、その後、別の日に訪問介護を体験してきました。

こっちは、認知症でも
いつもの生活を続けるためのお手伝いといった感じのお仕事のようです。
訪問した家庭では、一人暮らしでも、孤独でも、自分の家にいるので
お顔の輝きが違います。
良い点は、作業をしながらでも一人の利用者さんとじっくり向き合えるので
十分なお手伝いが期待できます。

一人で訪問、時間割も自分で決められるので
アホな職員と関わって自分まで洗脳させられる心配もありません!

イメージ 4

そして、3つ目に体験したデイサービスでは、
クソババアの集まりで、その中の一員になったように馴染んでしまいました!
職員さんたちが一人ひとりに愛着があり、
実習生の私にも、水分補給にと、施設の飲料を勧めてくれました。

ここでは、入浴サービスがあるので、髪の毛を乾かす作業をしましたが、
長い白髪をお団子にするという、名誉なお仕事や
考えようによっては迷惑な認知症で元気な女性を
“楽しい方”と表現する崇高な職員さんたちに感動!

ただ、お年寄りのわがまま放題に1日中付きっ切りになるので
神経が磨り減るし、拘束時間は10時間にも及びます。

訪問介護とデイサービスでは、私のババア好きっぷりが発揮できたのか、
日給を払ってもいいくらい戦力になってもらって、申し訳ないという
担当者さんたちの言葉に勇気づけられました。
 
 
イメージ 5
少し前に、スウェーデンでの介護施設の理想論を読んだ。

“老人ホームとわからない施設が理想です。”

スウェーデンでは、介護施設の食堂やロビーは解放されていて
誰でも利用できることが理想で、そんな施設も多いとのこと。

確かに、ノルウェー介護施設でも完全に部外者だった私が
ちょっとしたお手伝いをしたり、食堂を利用したり、
ロビーで無料のコーヒーを飲みながらくつろいでいても
職員さんたちから追い出されるようなことはなかった。

それどころか、興味本位に話しかけてくれたり、
入居者さんと会話を交わしていようとも
何のお咎めもなく、映画の上映会に誘ってくれたりもしたことを覚えている。

日本では北欧式の福祉は無理と言われていますが、
職員の待遇や意識だけでも近づけることはできないだろうかと
理想ばかり求めてしまう。

・・・今のところ、施設で働くのは絶望的です。
希望は訪問介護
 
そして私をだたの実習生と思ってはいけない。
最初の特養は旧友のケアマネに言いつけてやりました。
入居者さんの明日のために、施設に意見箱にも匿名で投書する予定です。
 
その前に!

教習所を早く卒業しなければ・・・。