ナポリの小枝とノルウェーの切り株

ノルウェー、ヴィーガン、猫とおそ松さん

イタリアの緊急救命室

体調を崩して病院に行った。
保険の関係で大学の保健室以外は(も)気軽に行けないだが、
おなかの調子がどうも優れない、
インターネットで調べると、悪い病気の症状とぴったりマッチ。

まず、テスト前の寝不足でお世話になったことのある保健室へ。

カウンセリングだけでは痔と便秘としか言えない、と言われた。
しつこく症状を話し続けること10分、
"救急病院へ急な腹痛を訴えていくこと"
を勧められる。

ERとかグレース・アナトミーのような病院は期待していなくても、
野戦病院といった古い施設と
入った瞬間に、咳混じりに吐いている人がいたのには
かなりめいった。

診療室は男女に分かれている小さなスペースで
診察台が4つのみ置かれていた。
心臓発作の来院が多く、発作なのに自力でバスに乗ってきたとか、
いつも胃が痛いとか、緊急でない患者もいた。

30分ほど待って自分の番が回ってくると、
診察台に寝かされ、症状を訴える。
寝不足で顔色が悪かったせいか、かなり真面目に取り合ってくれて驚く。

看護師が「産婦人科に転送だ。」
といったときはERの「子宮外妊娠だ。」とマーク先生が言ったシーンと被った。

看護師よりお医者さんのほうが冷静で、
血液検査、レントゲン、点滴を処方した。
結果によっては産婦人科というわけだ。

結果はストレス性の慢性的な便秘。

夜行性の生活を直そうと、無理な睡眠時間で過ごしていたことや、
最近受けたテストで結果が悪かったこと、教授から悪い言葉で人間性を否定されたり、
しばらくそのショックで摂食障害言語障害が一時的にでてきたこと・・・、
遺伝的に胃腸は強く出来ていないので、ストレスはこういうところに出る。

私はそれだけ大学や自分の専門分野に対して熱い思いがあるのだが、
それが抱えきれないストレスになって具合悪くでるのは良いことではない。

病院では人生初めての点滴を受ける。
ボランティアアシスタントの一体何百歳?なおばあさんが
親切に誘導してくれたり、面白い話をしてくれたり、
それでも結果が怖くてひざが震えている私に
血液検査の結果をいち早く持ってきてくれたり、
この気の効きよう、南イタリア人だったら在りえない
だから何百歳なの?って思ったんだけど。

こういう人に気持ちをなだめられるのだから、
私に足らないのはおばあちゃんの存在か?

とりあえず、漢方薬の下剤とおなかのガスを減らす薬を処方される。
下剤の効果はもうちょっと強くてもいいかな?

悪い病気じゃなくて良かったけど、
お医者さんは大げさで迷惑な東洋人と思ったろう、
血液検査もいつも低いヘモグロビンの値が11もあったし、
菜食主義でも貧血は治せることと、便秘になることがわかった。

ついでに、節約生活を心がけている私は
"病気になったらお金がかかる"ことを
身にしみて感じたので、といっても払ったのは薬代だけ。
ポテトチップを果物に、全てのクッキーを胚芽いりに、
コーヒーの量を減らして麦茶に変えたり、
タバコもきっぱり止めた。

好き放題、食の自由を楽しむのは日本に帰って保険で
全ての治療費がまかなえるようになってから。