ナポリの小枝とノルウェーの切り株

ノルウェー、ヴィーガン、猫とおそ松さん

ナポリのクリスマス

もうすぐクリスマスだっていうのに
巷で今流行りなのはインフルエンザとそのシンドロームだ。
私だって年明けすぐにテストがあるのに
具合が悪いカルメンのアパートに入り浸って猫と遊んでいた。

自分に移る風邪なんて相当悪性だろうと思っていたら、
急に気分が悪くなった。
頭痛と咽頭痛、そして便秘から下痢。
朝っぱらから3回もトイレに行ってしまった。

この時期になるとナポリのプレゼーピオ通りは人であふれ、
原宿の竹下通りどころじゃなくなるんだけど、
今年に限っては北イタリアからの団体さんがナポリの悪口を言いながら
とうせんぼうするだけ、不景気なのね・・・。
おんぼろバールもこの時期だけ、いつもはないナポリのお菓子を
店先に出す、ピザ出してる店も多い。
地元民はどこで何を食べるか知っているので
おんぼろバールの、いきなりお菓子屋さんやピザ屋さんにだまされたりはしない。

さて、ナポリではクリスマスに食べるものが決まっている。
24日はアサリのパスタ、いかと海老、うなぎ、たらの揚げ物、
ブロッコリーの葉のサラダ、またはブロッコリーとカリフラワーのサラダ、
夜の12時を待ってクリスマスのケーキをいただく。
クリスマスのケーキといえども工場で大量生産される
生地の荒い"黄金パン"かドライフルーツ入りの"どでかいパン"で、
日本で食べるような繊細なフレンチガットーとは違う。
25日になるとラザーニアとかカンネローニなどのパスタに始まり、
肉のトマト煮込み、子羊肉のオーブン焼きなど、肉が中心の献立になる。

伝統的なナポリのクリスマス菓子として
ロッココ、モスタッチョ-リ、ストゥルゥッフォリなどが挙げられる。
ロッココは恐ろしく硬いアーモンドクッキー、これのもう少しやわらかいバージョンが
スサミエッリ、シナモン入りで風味満天。

モスタッチョーリは、噛み切れないパンに質の悪いチョコレートがかかっている。
どっちも伝統としてこの時期のナポリの家庭に
欠かせないものだが、飛びつくほどおいしいものではない。
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そしてストゥルッフォリ、小さな揚げクッキーをオレンジピールやナッツと
蜂蜜で和えたカロリー満点なお菓子。
各家庭によりクッキーの大きさや和え物が異なる、
バールで見かけるものは粒が小さいもの、手が込んでいるのだろう、
カルメンが作るものはへーゼルナッツの大きさに合わせて、クッキー大き目、
素材の味で勝負なので、オレンジピールも手作り。
不満のなのはこのお菓子を作るのは、いつも年が明けてから。
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こっちはナポリの南60キロ、サレルノ方面で食べられるカスタニャッチ、
栗の粉とカカオで作った小豆餡のようなクリーム入りの
揚げ菓子、蜂蜜が絡めてあったり、粉砂糖がかかっていたりと
いくつかのバリエーションがある。
レシピはきわめて複雑なので、誰かの家でいただけることを期待する。
バールでもあまりお目にかからないので、どうしても食べたい面倒くさがり屋さんは
サレルノ方面にお友達作ってください。
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伝統的な家族だと夜の12時にミサに行ったり、行かされたり、
クリスマスの箱庭、プレゼーピオにキリストの赤ちゃん像をおいて
床に就く。
その様子は日本の元旦前のように気合が入っている。
こういう神聖な時期にもかかわらず、ナポリの泥棒たちは
北からお越しの観光客をかもにせっせと稼ぎ続ける。