ナポリの小枝とノルウェーの切り株

ノルウェー、ヴィーガン、猫とおそ松さん

ナポリのおしごといろいろ

ナポリには日の当たらないお仕事が色々ある。
 
闇タバコ売り
 
課税対象の商品であるたばこの単価を下げるには
単価の安い東欧諸国から不法に輸入するか、闇で手に入れる必要がある。
イタリア国家認証シールで封されていないもので、
闇市場に出回っているものほぼこのような形で手に入れたといってもよい。
 
ソフィア・ローレンの映画"昨日・今日・明日"の
昨日編は闇タバコ売り扮したアンナの物語であるのだが、これは"昨日"の話ではない。
ナポリ中央駅付近の市場や犯罪多発地域には未だにそういった商売が存在する。
 
道端に机を出してタバコの箱と手書きの値段だけが置かれている。
財務警察が通る際には商品を懐へ隠し、何を逃れる。
現在、イタリア国内におけるマルボロの金額は4ユーロを超えるだが、
闇市場では2,5ユーロで手に入れることが出来るのだ。
 
なくならないところを見ると儲かっているのだろう。
 
店番は大概でっぷりしたおばちゃん、
ナポリのおばちゃんは存在自体が無法地帯だ、万が一財務警察が現場を捉えようと
何も出来ないのが想像できる。
 
 
偽駐車場屋
 
広場にパイプ椅子だして、車を止めに来る人から2ユーロほどの小銭をいただいて
生計を立てている若者、またはおじさん。
男らしい仕事のひとつである。
 
この小銭を払い渋ったが故に車を盗まれたり、壊されたりする者もいる。
 
この仕事の時間はほとんどが昼間なので、夏季には報酬と見合っていない重労働ともいえよう。
 
 
偽ハイテク商品売り
 
駅前や市場、サービスエリアなどで、携帯電話やパソコン、MP3を売るお仕事。
上手なデモンストレーションで最新機器を魅力的に見せ、
用意しておいた偽物を上手な手品で摩り替えて売るという、テクニックと練習が必要な重労働。
買いそうな人を見つけて話しかけるという千里眼がないと儲けもないうえ、
上司から厳しいお叱りを受ける悲しいセールスマンだ。
 
最近、私が引っかけられたお仕事のひとつです。
長いナポリ兵役経験(ナポリで暮らしたことのある人のことを兵役を終えたという)から
返金に成功したが、安いものを手に入れるときはぐっとこらえて。
 
 
派遣おじさん
 
バールに座って仕事のほしい若者を待ち、適当な仕事を紹介してくれる親切なおじさん。
儲けは給料の数パーセントで、困ったときはこのおじさんというリピーターも多い。
ただ、この数パーセントはおっさんの良心によって変わったり、
仕事場に行ったらなつかしの"聞いてないよ~"が待っていたりして、サバイバル。
 
 
ナポリカルタおじさん
 
道端で机を出し、不思議なカードを使った手品を見せてくれるおじさん。
カードの絵合わせに当たると賭けたお金がもらえるので、
つい立ち止まってしまう人も多い、上手にお金を稼いでいる人も多いが、
いつも同じ顔ぶれなので工夫がない、新参者は一攫千金を狙って参加してしまうようだ。
 
 
偽ツーリスト・インフォメーションおじさん
 
駅にあるブースのおじさんは公務員ではない。
近所にボロホテルを持つおっさんでその違法性に常に警察から目をつけられている。
このブースには何百歳といった風貌の爺さんが東洋人の女の子にいたずらしようと
目を光らせている、ポンペイ遺跡に連れ去っていこうとする傾向がある。
ナポリで日本語をが聞こえたら逃げろ!
 
 
小間使いさん
 
ナポリの貧困地域によくあるお仕事。
タバコやちょっとした買い物をお願いして小銭を稼ぐつつましいおばちゃん。
ユネスコ世界遺産にもなっているナポリの中心街では
カテリーナといわれるちょっと太目のおばちゃんが活躍している。
彼女のお得意様はレストラン関係者など、店を空けられない人にタバコを買いに行ってあげることだ。
 
 
違法コピー屋さん
 
教科書のコピーをしてくれる上、安価で製本してくれる良心的な商売だが、
出版社や本屋からは嫌われている内緒のお仕事。
ナポリ東洋大学の教授たちは教科書を本屋に注文せずに
このコピー屋さんに本のコピーを頼む傾向にある。
 
 
入手にお金のかかる植物と薬品売り
 
脳の一部を麻痺させたり、壊したりして感情の操作を難しくさせる商品を扱っている人たち、
普通の家屋に住み、あまり儲かっているようには見えないが、
ナポリの大学生には欠かせないビッグマザーな方々。
大学周辺のタバコ屋さんでも手に入れることが出来るが、
それがどこにあるかはお得意様のお友達とどうぞ!
 
 
どこにでもあるとっても重労働で世界で最古のお仕事に従事している方々
 
数年前の寒い冬の日に、キラキラな銀のビキニに頭から光る棒突っ立てて
商売しているレディを見た、うる星やつらラムちゃんみたいだったな。
 
ナポリ郊外のアニャーノにはお年をお召したおば様が、
黒い下着をつけて昼間からお仕事している。
なぜかいつもゴミ箱の横にいる、なぜ?
 
ローマ通り付近には"世の中にこんなにきれいな人が!"
って叫びたくなるようなお姉さま方がいらっしゃる、
みなさん元医学的男性の方々です。
 
 
あなたが取り締まりたいはどれ?
 
 
最後にカーディガンズの10年以上前のビデオ、
その名の通り、ナポリはSick and Tiredな世界です。
高校時代にこんな音楽聴いたりしてるから、頭の痛い人間に育ってしまったのだ。
 
しかし、全員マッシュルームカットって気がつかなかったなあ、
初来日アンドサイン会のときは初めて見るスウェーデン人にビビッたけど、
今見るとちょと間抜けだ、親近感を感じつつも今はビッグスターなんだよね。
 
本当はアーランド君のSudden rush をアップしたかったが、
この記事にはちょっとスケベすぎてやめた。
映像監督したジャービス・コッカーがいけない。