ナポリの小枝とノルウェーの切り株

ノルウェー、ヴィーガン、猫とおそ松さん

そっふぁー失読症

初めて失読症を他人から疑われたのは、
 
中世考古学のゼミだった。
 
担当教授は、大学では一番真面目で厳格、
 
権力やお金に興味を示さない本物の学者であるランベルト教授。
 
20時間のゼミのあとは、テストが待っていて、
 
渡された本は100ページほどの"考古学入門"という簡単な本(らしい)。
 
イラストは全くないが、大学生向けというよりは
 
趣味で考古学を知りたい人用のポケット文庫、
 
私にはどんなにひっくり返しても、本の内容が分からず、
 
耐えかねて、教授に話を聞きに行った。
 
そのときは、私のイタリア語能力がまだ、大学レベルに達していないと思ったのか、
 
テストまでリラックスして勉強しろという無責任な回答で終わった。
 
テストの日になり、教授は私のまとめノートに目をつけた。
 
イラストばかりで、的を得ていないイタリア語に加え、私の文字が読めなかったことを
 
心配したのか、イタリア語の補修を取るようにと
 
留学生にイタリア語授業をしている教授を紹介してくれた。
 
 
私は留学生用のイタリア語教室も追い出されました。
 
理由は、ちょっと大げさですが、授業妨害になるほどイタリア語が話せたから。
 
 
その一年後、今度は中世碑文学でまたまたランベルト教授のお世話になる。
 
興味のある授業だったので、補修やセミナーまで出席したが、
 
テストにて、授業で教授が語ったどうでもいい話はしっかり覚えているのに、
 
ロンゴバルド王の墓に書かれた簡単なラテン語の碑文の意味を全く理解できなかった。
 
多分、教授は私のノートを思い出したんだと思う。
 
La dislessia, lei non ha mai sentito questa parola?
ディスレクシア、この言葉を聞いたことある?)
 
 
私の症状は、単語は読めるけど、文章になると理解に時間がかかる。
文字がしょっちゅう前後するので、一文字違いの言葉をよく間違え、
単語をデザインとしてしか識別できないので、
文章を読む際、いくつかの言葉を先にインプットしてから
副詞でつなげて行く方法でしか本が読めません。
 
例えば、
 
Con topografia antica ci riferisce quindì a tutto quegli studi che hanno
 per oggetto la ricostruzione dell'assetto del territorio
 
最初に赤い文字しか頭に入ってきません、それもよく使う単語で、
綴りを見なくても声で覚えているものと、見出しと関係のありそうな言葉です。
 
そして、蛍光ペンで引いた部分を見てつなげます。
 
あとは、その両方を何度も他の黒い文字と繋げながら、意味を想像し、
音読を記憶するまで続けます。
 
以前は、同じ意味合いの文章を別の言葉や文法で表現するという方法を
試して、少々語学能力の向上を試したりしましたが、
私には意味を短縮化することくらいしかできません。
 
さて、そんな私でも考古学はお勉強できました。
 
どうしてでしょう?
 
それは地図や図解が多かったからです(だから考古学が好き)。
 
イメージ 1
古代ギリシャ考古学のまとめノート、図面を見ると授業の内容を思い出せる。
赤丸の方位を示すマークと都市計画は古代においてとても大切なエレメント、
右の文章は私が書いたのみ、何が書いてあるかさえ、読めません。
 
 
イメージ 2
古代ギリシャ植民地の都市マップ。
 
印をつけて文章の内容を理解す為に、本やネットから写して利用しました。
 
字が汚いのも失読症の症状だそうで、イタリア人は私の文字を読むのに苦労するそうです。
 
 
 
イメージ 3
中世美術史のまとめノートの一部。
 
図解を描いて理解を深めます。
なので、中世時代の建物は見取り図だけで、どの教会であるか、
どの年代のものであるか、そしてフレスコ画まで覚えてます。
筆記テストで満点を取れたのは、見取り図が出題されていたからなんですよ!
 
中世史は範囲が千年プラス古代ローマ時代だったので、
ヨーロッパの形成、国境の変化、民族の入れ替わりを
年代別に地図を描いたり、歴代王のファミリーツリーを作ったり、
王朝の年表、外国語表記、おまけに学習漫画まで描いて理解を深めました。
 
情熱がなければできない!
 
イチイチこんな作業しないといけないので、テスト準備には時間がかかりすぎすのですが、
それができる科目の時はまだ良くて、文学となると図解も地図も要りませんが、
一番理解に苦しむ"詩"や"文法"のお勉強をしなければならず、
想像力すら湧かない文化貧乏やってしまいます。
なので、本の丸暗記で済ませてきたんですが、それに気が付いた教授が
すごい剣幕で怒るんですよね・・・多分日本だったら、
怪物親子に解職されそうなひどいことまで言われましたよ。
 
最近は高校生用にネットでフリーレッスンをアップする団体があるので、
ラテン文学はよく利用させてもらいました。
 
 
そうでもいい他人の学習障害はそのくらいにして、
今月末から、家賃を安くするためにお部屋をグルジア人の女の子とシェアすることにしました。
 
カミッラと一ヶ月近く同じ空間に24時間いたので、
仕事で家を空け、寝言も夢遊病もない女の子とのシェアは
あまり問題もなく数日が過ぎていっているんですが・・・・。
 
イメージ 4
むさ苦しいオタクなお部屋が一気に東方正教会
 
棚には、香水やらマニキュアやら、化粧品の数々がスウィート。
 
 
私の気持ちはHvorfor?(なぜ?)部屋には必ずこの文字を貼り付けます、映画ファンなら知ってるかも。
イメージ 5
 
ついでに、90年代に渋谷で流行った赤いTシャツは
オシャレすぎて着れませんでしたが、
アメリカ経済に左右されない素晴らしい政治を行ったこの人
 
イメージ 6
煙草でございます。
テスト後、不良になってやろうと買ってみたものの、
歯茎煙草は大好きだけど、煙はすっかり苦手になってしまい、
久しぶりの煙草に、初めて友達と吸ってみた中学生なみに咳き込んでしまいます。
 
こんなに文章を書いておいて、何が失読症だー!
と、お思いの方も多いと思いますが、
日本語は、ある意味文法がない上、漢字のおかげで情報が得やすいため(それでも読むのは遅い)
アルファベートとは、識別する脳の部分が違うのだと思います。
日本語は漫画で、ヨーロッパ言語は本といったら、わかりやすいかな?
 
よく読んだら、文章の意味が繋がらなかったり、
ひらがなの前後がよくひっくり返っていたり、濁音が欠けていることがよくあるので
よく読まないように。