先週末にノルウェーに戻ったカミッラからお便りがあった。
お母様がイタリアを楽しんだと聞いて一安心。
イタリアで一番お楽しみの御食事は、希望通りのものを食べられたのだろうかとか、
私の予定表通り動いてくれていたら、もっと節約できたはずだとか、
後悔は尽きないのだけど、感謝してくれていると聞くとちょっと嬉しい。
さて、先週からずっと書きたかった最近見た映画記事を。
イギリスBBCで放映されている時代劇TVドラマシリーズMerlin。
イタリアでも午後のかったるい時間帯に放映され、
お料理片手間に楽しく見ていた。
日本でも放映されていたかしら?
BBCのオフィシャルCM、英語です。
魔法の能力を持つメルリン、その力をコントロールするために
母の知り合いである宮廷医師、ガイウスを尋ねてカメロットの街にやってきたのだが、
この土地を治める王ウーテルは、魔女狩りまで行うほどの魔法嫌い。
そんな王様の一人息子であるアーサー王子付き使用人となったメルリンは
アホなどら息子と王国を救うため、秘かに魔法を使って大活躍するというお話。
キン肉マンのように、エピソードが進むにつれ、
軽いノリの時代劇風だったものが、どんどん重い世界感に覆われて行きます。
エピソード一つ一つの起承転結がはっきりしていたり、
味方と敵が見てすぐにわかるといった、
水戸黄門要素のおかげで、外国語でも無理しないで見られるお話だと思う。
おススメは英語、割と分かりやすい話し方をする身分の高い皆様、
イギリス英語に慣れていないと、ちょっと不思議な発音に聞こえるけど、
イタリア語やスペイン語ではただのドジ使用人だったメルリンが
めっちゃくちゃセクシーな魔法使いに見えてくる。
(※私は外国語堪能ではない、嫉妬しないように )
アイドルのようなルックスのアーサーと、ドジだけどみんなに愛されているメルリン。
・・・・ついでに由美かおるの入浴シーンはありませんが、
アーサー王のサービスショットはやたらとあるので、
視聴者は十代の女の子が多いのかも。
こんなボケボケの二人にカメロット王国の未来がかかっているなんて
すごい怖い世界・・・。
ひらめきで何とか命が助かっているとしか言えないな。
中世を生きるヒントは運がほとんどなのか・・・。
舞台となるカメロット城はフレンチゴシックの12世紀建築、
皆さんの衣装も、派手な色彩や鎖帷子の防具など、
中世後期を忠実に表現しているあたりから
年代設定は中世後期とみられるが、あまり細かいことまで気にしていない様子。
数々の中世的ではないものも、多く見られる。
例えば・・・
ズボンをはいているメルリンと農民達(ズボンは16~7世紀近代バロック以降、それまではタイツが主流)
アフリカ系の親衛隊騎士(アフリカ系の貴族は中世では地理的にも政治的にも無理だろう)
ダ・ヴィンチの絵画が王様のお部屋に(いくら強い騎士であったカメロットの王様でも未来の絵画を自分の寝室には飾れないだろう)
教会の存在が全く感じられない(露出系の女性ファッション、婚姻の際には図書館司書が証人となる、火葬)
とにかく突っ込みどころの多い作品、
ついでに画像検索をかけたら、危ない写真が一杯出てきてびっくりした。
アナザーカントリーファンを狙ったようなシーンも多かったもんな・・・。
魔法で雑事をこなしたり、好きな女の子とキスして涙をながしたりと、
妙にピュアなメルリン、役者さんは舞台の出身なのか、ポジティブ表現力の素晴らしさが光る。
メルリンが喜んでいると、こちらまで幸せな気分にさせてくれる。
逆に・・・ポジティブ表現がものすご~く重たい役者さん、
ハリーポッター役を成し遂げたダニエル・ラドクリフ。
悲しみ表現だけは、眉一つ動かさずにとも
パトス(苦悩)の海へと連れて行ってくれます。
ついでに・・・英語に自信のある人へ。
イギリスTVの特集で、メルリン役とアーサー役の2人が
メルリンにまつわる地を車でドライブするという面白い番組がありました。
メルリンのスコットランド風(といわれる)アクセントがかわいい
興味のある人はこちら↓
その3まであります。