ナポリの小枝とノルウェーの切り株

ノルウェー、ヴィーガン、猫とおそ松さん

2011年の映画レビュー

去年見た映画、おととしに比べてやっぱり少なめ、
原発関連の情報番組や講演会ビデオばかりみていたのも
その理由のひとつ。
 
しかも元旦から今週末にかけて、福島県千葉市放射性物質降下量が
4月並みになったので、その情報で頭が一杯に。
楽天的な武田邦彦先生ですら、注意を呼びかけていたので心配で仕方がなかったが、
7日更新の記事にて、数値が下がっているとの事、
今後も注意が必要ということなので、心配な方はこちらの記事に目を通して下さい。
 
 
 
 
さて、映画のお話にもどります。
ベスト映画に入る"善き人のためのソナタ"を超えるような作品には出会えなかったけど、
それなりに興味深かったものもいくつか。
 
 
イメージ 1ヤコブへの手紙
 
刑期を終えたレイラが仕事を紹介される。
盲目の牧師の家で、毎日届く手紙を読み上げ、
返事を代筆するというものだった。
 
moさんおススメの一本
(いつも素敵な映画を紹介してくれます感謝!)。
フィンランドの夏の様子がきれいでその映像美に思わずうっとり。
盲目の神父の、手入れされていない庭のベンチで、
毎日手紙を読み上げるレイラと、その送り主と真剣に取り合う神父、
皆の悩みを聞き、祈りを捧げ、丁寧に返事を書く。
 
地獄を見たレイラにとって、このやり取りがとてもばかげていたのだろう、
神は私の心を分かってくれない、そんな風に見えた。
 
牧師に親切にできない良心の呵責とも取れるようなレイラの表情や
最終的に告解に踏み切った彼女の溢れる感情、
牧師さんの目が見えないから助けたれた部分があったこと、うんざりしているのに、
なぜかこの仕事から逃げ出せないといった表現力の素晴らしさに大拍手!
 
たった数人の登場人物と少ない台詞だけに、言葉の一つ一つに重みを感じる。
映画はいいところで終わってしまうのだけど、その続きがもし、あったとしたなら、
どんなに素敵な時間が待っていたのだろうと想像する。
記事を書くに当たって日本語やイタリア語の予告編を見たけれど、
自分の解釈とは違っていたので、いろいろな視点から見ることができるのだと思った。
 
素敵な映画だけど、2回目を見るのはもう少し時間を置いてから・・・
この感情の嵐を詰め込んだ作品、喉に引っかかったままの状態です。
 
 
 
イメージ 2
Varg Veum   Falne Engler
 
ノルウェー、ベルゲンを舞台にした刑事もの。
探偵ヴァルグの事件簿シリーズのうち、
一番面白かったのがこちらの一本。
 
今回の事件は自殺と見られる少女に始まり、
なんらかの関連性と持つ少女達が天使に見立てた白い服を着て
絞首された姿で発見されるというもの、犠牲者に一人には、
ヴァルグの旧友であるレベッカもいた。
 
この映画の中で、犠牲者の父親が娘のいなくなった2人だけの食卓にて、
こんなことを言った。
"あの娘は君のような人生を送りたかったんだよ。"
人生をめちゃくちゃにされた娘、平穏で暖かい家庭を持つ幸せを奪われた苦しみがこの一言に凝縮されている。
 
ヴァルグ・ヴェウムシリーズは全部で10本、
一番新しいもの意外はすべてチェック済みだが、
松田優作探偵物語を思わせるような捜査が多いかも。
 
 
 
 
Få Meg På For Faen (Turn me on!)
 
イメージ 3
 
色使いがとてもきれいなノルウェー映画で、映像のところどころに胸キュン、
スウェーデン人のレビューによれば、演技がヘタクソで、ストーリーもリアリズムに欠けるとのこと。
言語の壁のおかげで、そんなのはどうでも良く、
きれいな色彩の一こま一こまを楽しむ為に3回も見てしまった。
Kings Of Convenienceの音楽も2曲使われてます、思わぬところでちょっと嬉しい。
 
 
 
 
イメージ 5
Herz Im Kopf
 
ドイツで撮影されたこの映画こそ、KoCの音楽がクレジットされているので、
わざわざ探し出して見たのだけど・・・生意気な高校生の家出物語だった。
大人をからかうのではありません!
 
 
Whitgh Of My WordsとToxic Girl、
ついでにベル&セバスチャンのLike a Dylan Movieも聞けます。
 
 
 
 
 
イメージ 4
Fritt Vilt III (Cold Pray)
 
見ての通り、ノルウェーホラー映画。
 
山の中にあるロッジを経営していた夫婦には
もてあましてしまった子供がいた。
両親の愛を知らない子供は超人的な生命力を持ち、
復讐なのか、それとも本能なのか、
人を殺す快感を持つ殺人鬼に成長し、若者を襲う。
 
これ、文通相手のマリンちゃんおススメだった一本の続編。
ただヒヤッとさせる為に作りました的だが、
舞台を夏に代え、時代を遡らせて、携帯電話などの便利な救命器具を
使えなくするあたりは工夫を感じる。
 
 
 
去年は何と言ってもVarg Veumシリーズを見るのが楽しみだった。
見覚えのある街の景色に何度も心臓を打ち抜かれ、
少しだけ、ベルゲンの風土に触れた気分にさせてくる。
最新作だけはまだチェックしていないので、早く見れるようになって欲しいな。
 
読んでくれた方、有難うございました。