ナポリの小枝とノルウェーの切り株

ノルウェー、ヴィーガン、猫とおそ松さん

出発は死だけど、私は生きている


飛行機は予約したもの、恐ろしく後悔しました。

 
今の私はこの後、人のうじゃうじゃいる空港で冷静にチェックインできるのか、
閉鎖空間の飛行機内に10時間もじっとしていられるか、
その前に電車に乗って空港まで行けるのか?

チケットはキャンセル料が発生し、返金が出来ない時期になってからの購入なので
予約が完了したというメールを受け取り、後戻りという選択肢がないことが
私には重かったのです。

出発の日になり、ガラガラの下り電車に乗り、空港でも簡単に手続きを済ませて、
出発ゲートへと行くのですが、それがまるでトマトソースを作るような感覚で
何にも考えることもなく簡単に済みました。

乗換時間が短いので、前の方の座席に予約を入れておいたのですが、
めちゃめちゃ混んでいて、隣に座る女の子が英語を話そうという努力もなく
CAさんと随分もめていました。

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今回も懲りずに二度とならないと誓ったアエロフロートですが、
リクエストした特別食だけは出た。
じゃがい芋のクミン炒めとニンジンカレーという似たようなメインに
ターメリックライス、サラダと豆腐みたいなデザート付きです。

機内では雨宮処凛の“生きさせろ!難民化する若者たち”という、
若者がニートになる現象と
日本の社会を当事者たちの体験談を交えて綴った
“努力が足りない”という言葉が大好きな人たちに読んでほしい一冊を
読んだり、映画を見たりしましたが、やはり隣に居る見知らぬ誰かの圧迫感が辛い

乗換地がモスクワなので、そろそろ腰がやばい頃に
着陸のために降下し始めました。

オスロ行の飛行機では、飛行時間が一時間半だと思っていたら、
一時間の時差があるので、実際には二時間半で、
スカンジナビア上空にはいると雲の中にいるので、景色が全く見えない状態。
 
そして、曇り空のオスロに着くと初めてノルウェーで入国審査を受けます。
ロシアからの便ということもあり、二つある窓口がふさがった状態で、
国籍によっては指紋採取までされていました。
私に関してもイギリス入管並にいろいろと質問されましたが、
もう、英語を理解する頭もないので、滞在日数と滞在先が友人の家とだけ言って
やっと入国が完了しました。

預入荷物を受け取りに行くと、もう、何もありませんでした。
入管で時間がかかったので、
もしかしたら、私のスーツケースは盗まれたのかもしれないと焦り、
とりあえず、トイレで一息つきながら、また英語で空港係員と
面倒くさい手続きをすることを考えてから戻ると、
さっきまで、何もなかったターンテーブルにスーツケースが
出てき始めているところ。
荷物の荷卸し作業がゆっくりだったのでしょう・・・。

空港ではスヌースを買うことも忘れず、数分後にあるオスロ行きの電車に乗って
カミッラにメールを送りオスロへと向かいます。

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オスロ中央駅に着いたのは夜の10時でしたが、まだ明るい。
出発前には9時に会う約束をしていたので、電車内のWiFiからメールで
遅刻を知らせることが出来たものの、
目の前を“あの野郎!約束には必ず遅れてきやがる”という表情で
過ぎ去るカミッラが歩いて行くのを呼び止め、再会したのですが、
久しぶりというより、私の頭がタイムスリップ現象状態なので、
まるで昨日の連続のような懐かしい感じはせず、
過去を旅しているような気分でした。
 
多分、カミッラもそんな感じなのか、私がイタリアから来ていたときのように
ファラフェルと食べに行こうとか、カフェでコーヒー飲もうとか
最初から飛ばしまくってました。

13時間も旅してきた私には最初にまず、休みたい。
駅を出て、家路に向かうかと思いきや、カミッラが向かう方向はカフェです。
時間的にカフェは閉店しているので、おとなしく家のある方向へと
やっと向かってくれました・・・が!
家の近くのケバブ屋で今度はファラフェルを注文して、
料理している間、満開のライラックを眺めながら、会話をするも
昨日まで家を出るのも怖かった自分が、こんな遠いところで
カミッラに振り回されていることが妙に可笑しくて
笑いながら、カミッラのアパートへと向かいました。

翌日は“ハゲの日”修道院の庭掃除ボランティアのことですが、
庭仕事担当のホーバルと少しお近づきになれる日です!
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またあのステキな修道士様の作業姿を見ることができるのだ!

引越ししたカミッラのアパートに着き、三年前に残していった紅茶のティーパックも
一緒に引っ越ししてくれていたようで、それでお茶を入れてもらったあと、
キャンプ用のマットレスと恐ろしく軽い綿の布団を用意してもらって寝ました。
勿論、いつもの夢遊病も覚悟して!