ナポリの小枝とノルウェーの切り株

ノルウェー、ヴィーガン、猫とおそ松さん

歩いてオスロ

前日、レーネ・マリーと待ち合わせに失敗してから、一日の予定が狂って映画“ホルテンさんの冒険”なみに友人たちを訪ね歩く長い散歩となって、最後は森ではぐれるという・・・

ノルウェーでは避けたい経験をしたので、今日はゆっくりと近所を軽く歩いてカフェでコーヒー飲んで、ミサに行って、手の込んだ夕食でも作って、DVDでも鑑賞っていう一日を希望。

カミッラはトレッキングがしたいのを知っているが、昨日の今日でまた何十キロを歩くのは疲れるので、ここで少し休みたいと、くるぶしを痛めたことにして、この日は国立歴史博物館に行くことにした。

 

昼ご飯のカレー、まともなカミッラ飯

f:id:monken:20190712001914j:plain

日曜日の余った野菜をスパイスとトマトで煮込んでカレーを作ってくれた。

いつもはうろ覚えのレシピでとんでもないものが出来るのに、今回はネットで調べてすごくまともなカレーを作ってくれたので喜んで食べたい。

 

国立歴史博物館

f:id:monken:20190712003357j:plain

オシャレな垂れ幕が掛かっていますが、工事中です。

行きたくないというカミッラも渋々ついてきて、高い入場料を払って入りました。

中世考古学を専攻していた私には、ヴァイキング時代の展示物を目当てにいつも行きたいと思いながらも、入場料を出し渋ったり、開館時間と予定が上手くいかなかったりで、やっと訪問することが出来ました。

展示物は南米やアフリカの民族衣装、ミイラや世界の古銭展示もあり、写真撮影もOK。

お目当てのヴァイキング時代のお品物は二つの部屋に分かれて展示されていました。

f:id:monken:20190712010225j:plain

シンプルな展示室。

展示品の説明は部屋の片隅に置いてある英語とノルウェー語の冊子に載っているので、それを片手に部屋をぐるぐる回るのがよさそうだ。

その冊子は貸出用なので、持って帰ってはいけない。

工事中で展示が中止されているものも多かったと思うが、ここでは展示品よりもユーゲンスタイルの内装がよく手入れされていて、かなり興味深い。

 

博物館の階段

f:id:monken:20190712011306j:plain

壁の無駄な曲線や金色の壁模様、金に輝く鉄細工のシャンデリアや至る所に見られる装飾など、シンプルな北欧インテリアになれていた私には別世界に来たような気分。

ノルウェー中西部にオーレスンという街があって、ユーゲンスタイルの街として3回くらい訪問しているのだけど、そこのスタイルよりずっと作り上げられた感がある。

ユーゲンスタイルは北方アールヌーボーと定義されていて、ドイツを始め、北ヨーロッパで19世紀から20世紀に流行った建築、インテリアのスタイル(多分、絵画作品もある)のことです。

オーレスンがユーゲンスタイルなら、こっちはもっとフランス寄りのアールヌーボーって言いたいような雰囲気かな?

素人美術史感でした。

 

扉の窓の複雑な細工もユーゲンスタイルです。スチームパンクっぽいか?

f:id:monken:20190712011852j:plain

ドアの周りにあるパネルを見るとわかる通り、この博物館ではなぜか、世界の民族紹介もしている模様。

最後の展示室は奥に視聴覚室みたいな暗い部屋があって、そこでは無言の映像作品が流されていた。

約20分程度の作品でアフリカ系の男女が無表情で廃墟や水辺にいるというもの、最後に流れた字幕で国を出て行かざるを得なかった人たちと取り残された人たちについて訴えているというものだった。

制作者の意図までは伝わらなかったが、かなり印象に残っているので大成功だったと思います。

博物館の売店横にあった展示室

f:id:monken:20190712013336j:plain

ここでは模型を使って地形の説明や上の写真のようなパズルゲームがあり、ノルウェーの風土について、少しだけ展示がありました。

今回は工事中で閉鎖している展示室が結構あったのではないかと思います、同じ金額でヴァイキングシップ博物館も入場することが出来るとのことで、翌日はそこに行こうと言うことになり、博物館を後にした。

 

博物館の近くにある王宮

f:id:monken:20190712014102j:plain

現代社会に王様とか興味ありませんが、最近、王女の一人が霊能者と交際していることを知ってかなり好感が持てました。

でも、彼らがたまたまそういう家に生まれたというだけで、庶民の税金で生活していることはあまり感心しませんよ。

 

ここはどこだろう?

f:id:monken:20190712014622j:plain

午後3時を過ぎた頃、そろそろ買い物に行って、美味しい夕食を作りたいとおもうのだが、気が付いたら知らないところにいた。

カミッラは昨日のオリエンテーリングの続きがしたいらしく、チェックポイントを探して、海沿いからマイオルストア駅にかけて歩きたいようだった。

 

奥に黄色い三角屋根のフロム博物館が見える

f:id:monken:20190712014940j:plain

交通量が多い幹線道路の上にかかる歩道橋を使って、海岸線に沿って歩きます。

お天気がすぐれないので、暗い風景ですが、ムンクが描いた風景ってこんな感じだったと思います。

 

暗い・・・

f:id:monken:20190712015401j:plain

南イタリアでも曇った寒い冬の日にわざわざ海辺の写真を撮りに行ったりすると、こんな感じの陰気な写真が撮れたりすることがありました。

二時間くらい歩いた後、くるぶしが痛むことを伝え、散歩を終わりにするよう伝え、マイヨルストア地区にあるドメニクス教会で行われるミサへと向かいました。

 

知らない地域の注意を促す看板。

f:id:monken:20190712015620j:plain

海辺からマイヨルストア地区にかけて、昔からの戸建て住宅と大使館が多い地域があり、交通量の割には道幅も広く、貧富の差が少ない北欧でもわかりやすい高級住宅地であることがわかる。

無事に教会でミサを終え、今度はDVDを図書館で借りようというので、“モンゴル”と“HELP”を借りて、帰路についた。

夕食は疲れて用意するのも面倒だったので、近所でファラフェルのピタサンドを買い、家で食べることにした。

ノルウェーで一番おいしいのはファラフェルです!

 

デザートはルバーブのクリームがけ

f:id:monken:20190712020603j:plain

疲れ果てている私に、カミッラが作ってくれたデザート。

ルバーブは初めて食べたが、酸っぱい繊維質がとてもおいしくて、キウイとレモンのような酸っぱさが病みつきになりそうだった。

上には茶色い生クリームとパン屑が乗っているので、一見生ごみ風で何事かと思ったが、精製されていない砂糖を入れて泡立てた生クリームなので、こんな色をしていたらしいが、それを知らずに食べる最初の一口は勇気が要る。

パン屑は生クリームで少しケーキのスポンジを思わせるので、美味しい。

日本ではあまり見かけないルバーブだが、売っていたら積極的に買いたいと思った一皿だった。

 

なんだかんだ言って結構な距離を歩いたけど、夕方からは美味しい食事とDVD鑑賞に落ち着きゆっくりすることが出来た。

翌日は博物館でもらった入場券替わりのレシートを持って、バイキングシップ博物館に行きます。

この博物館は、オスロから突き出た“風光明媚”な半島にあるので、また恐ろしい距離を歩くことになりそうだ。